ざっくり言うと、
「中国の大自然と若い恋人たちの“たわいない会話”で、人生と恋のスケールを重ねて見せた、サントリー烏龍茶の代表的ロマンティック三部作」です。
各篇の内容・世界観
(1)「大きな氷の河」篇
ビジュアルの状況
• 湖か川に厚く氷が張っていて、男女がアイススケートをしている設定。
• 広大な白い氷原の中で、ふたりが距離を取りつつ滑ったり寄り添ったりするような構図で、“大きな自然×小さな恋”が画として対比される。
会話・コピーの流れ(裏会話:日本語を中国語に訳して収録)
• 女の子「どうして雪がふるの?」
• 男の子「世界は最初、雪と氷でできていたからさ。」
• 「それからどうなったの?」と何度も問いかける女の子に、
• 「雪が解けて地面になり/氷が解けて川になり」、 そして「男と女が生まれた」と答えていく。
• 最後にナレーション:「がんばって生きてゆく。 ピュアブラウン サントリーウーロン茶」
意味合い
• 世界の始まりから「男と女が生まれる」までを、恋人同士の他愛ない会話として語ることで、
“自分たちの小さな恋も、世界の歴史の続きにある” という、ロマンティックで少し哲学的な感触をつくっている。
(2)「彼女と僕の橋」篇
ビジュアルの状況
• タイトルから、川にかかる橋の上やその近くを舞台に、男女が将来について話すシーンを中心に構成。
• こちらも「大きな河と小さな恋」がBGMとして流れ、自然のスケールとふたりの会話が対比される。
会話・コピーの流れ
• 女の子「それから、どうなるの?」
• 男の子は、村の境界のポプラの木の下で「女を連れて山の向こうの広い空の下へ行こう」と決心する→広い空の下には大きな街があり→その街の入口には大きな川がある
• 「どうやって渡るの?」と聞かれると、「さあね。人は誰も、その川を渡るのさ。」と答える。
• ラストのナレーション:「新しい橋を渡る。 ピュアブラウン サントリーウーロン茶」
意味合い
• 川=人生の大きなハードル、橋=覚悟や一歩踏み出す象徴として描き、恋人同士の会話を通じて「未来に向かう勇気」や「まだ見ぬ世界へ渡ること」をやわらかく示している。
クリエイティブの狙い・シリーズとしての特徴
「大きな自然 × 小さな恋」
・氷の河、橋、入江というモチーフはいずれも「境界」や「移動」を象徴する場所。
・そこで交わされる恋人同士の会話は、子どもっぽくて、少し哲学的で、未来をまだうまく言葉にできない年頃の不安と期待が混ざっている。
日本語で書いた詩を中国語に訳し、あえて“聞き取れない歌詞”にする
・曲「大きな河と小さな恋」は、日本語で書かれた歌詞を中国語に訳したオリジナルCMソング。
・旋律と声の質感で“郷愁”や“恋の切なさ”を伝え、日本の視聴者には意味が全部はわからないからこそ、映像と一緒に「なにか大きな物語がある」と感じさせる作りになっている。
コピーは「それから、どうなるの?」の反復
・女の子の「それから、どうなるの?」という問いかけが、3篇を通じてモチーフ的に繰り返される。
・少し先の未来・決断・人生の続きへの“好奇心”を、その一言に集約している。
受賞歴
・ACC 東京クリエイティビティアワード/ACC CMフェスティバル|第43回(2003年) テレビCM部門:ACCゴールド受賞
・TCC賞(東京コピーライターズクラブ)|2004年度TCC賞受賞一覧に、3篇ともTV-CM 60秒として収録。
この施策のクリエイティブ的な要点(ざっくり)
・商品機能の説明を一切せず、「中国の空気感×恋愛ショートストーリー×中国語カバー曲」 の三位一体でブランドを構築。
・コピー、映像、音楽がすべて 「大きな河と小さな恋」 という一点に収束していて、シリーズ全体としての“世界観の一貫性”が非常に強いキャンペーンになっている。
・氷の河/橋/入江という「境界の場所」を舞台に、世界の始まり・未来への決心・ふたりだけの秘密を語らせることで、ウーロン茶=“人生の節目に寄り添う静かな飲み物”というポジションをつくっている。



