概要
米国で有機転換に踏み出せない農家の最大障壁(買い手不在/転換期の収量減と収入減/ノウハウ不足)を解くため、AB InBev(Michelob ULTRA Pure Gold)が「3年後の買い取り保証」を中核に、転換期プレミアム(上乗せ買取)や技術支援をセットにした長期スキームを立ち上げた取り組み。“広告”ではなくサプライチェーンと契約を変えることで、有機大麦の供給基盤を拡大した。
背景
・米国では全農地の約1%しか有機ではなく、慣行から有機に切り替える3年間の移行期間が経済的・技術的に大きな負担となっていた。そこでブランドが最初の有機買い手を“先に約束”し、移行のリスクを肩代わりする設計に踏み切った。
仕組み(何をどう変えたか)
・買い取り保証の“契約”:農家がいま署名すれば、転換完了の3年後に AB InBev が有機大麦を買い取ることを文書で確約。市場不確実性を解消した。
・転換期プレミアム+長期契約:移行中に収量が落ちても持続できるよう、プレミアム価格と3〜6年の転換契約を用意。
・技術支援の同梱:有機認証団体 CCOF Foundation と連携し、栽培・認証の実務支援を提供。
なぜ効いたか(クリエイティブ視点)
・“契約”を発明して需給を接続:買い手保証+プレミアムで移行期の損益分岐を反転。行動変容を“意識”ではなく経済条件から実装した。
・ブランド目的との強い合致:有機ビール(Pure Gold)の成長に必要な原料供給を、自ら創出——ブランド成長×社会インパクトを同時達成。
・持続成果の実証:転換面積の拡大という事業・社会のKPIを継続的に積み上げ、Creative Effectivenessの評価軸(長期の実効性)を満たした。
受賞
・Cannes Lions 2020/2021:PR Grand Prix
・Cannes Lions 2020/2021:Titanium Lion(“カテゴリーを越える発想”の評価)。
・Cannes Lions 2022:Creative Effectiveness Grand Prix(ビジネス×社会インパクトの持続成果が認定)。



