AB InBev / Budweiser『TagWords』| 2018

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施策の概要
TagWordsは、AB InBev/BudweiserがエージェンシーAfrica São Pauloと組んで実施したプリント&OOH中心のキャンペーン。ポスターや紙面に単語列(タグワード)だけを大きく掲出し、指定の語をそのままGoogle画像検索すると――著名ミュージシャンが“自然発生的にBudweiserを手にしている”過去のスナップ写真が並ぶ、という検索行動をデザインした広告である。2018年のCannes Lions Print & Publishing部門でGrand Prixを受賞した。

ねらい(戦略)
・Budweiserは長年にわたりロック・シーンと深く結びついてきたが、歴史的写真の権利をすべて買い取って掲出するのは非現実的。そこで、ブランドが写真を“見せる”のではなく、生活者に“見つけてもらう”設計に転換。タグワード(年・場所・状況+“Budweiser”など)で検索を誘発し、権利に触れずに文化的遺産を想起させる“ハック”として機能させた。

実装(体験設計)
・メディア表現:黒地に白い大文字の検索語だけを配したミニマルなプリント/OOH。たとえば「1978 ballroom holding Budweiser」と検索すると、Sex Pistolsのジョン・ライドンとマルコム・マクラーレンがBudを手にする写真に辿り着く——という“答え合わせ”体験を生む。
・配置と接点:音楽会場付近、ミュージックバー、パブ周辺での掲出に加え、ビアマットや壁面プロジェクションなど、検索行動が起きやすい文脈に置いた。

受賞・評価
Cannes Lions 2018 Print & Publishing Grand Prix。審査・各業界メディアは“画像権利の壁を、検索という生活行動の設計で乗り越えた”点を評価。

クリエイティブの要点(なぜ効いたか)
・“見せない広告”の設計:あえて画像を出さず、検索という行為を通じてブランドと音楽史の接点を自分ごと化させた。
・権利・コストの制約を逆手に取る:権利未取得の歴史写真をダイレクトに使わず、第三者の既存掲載に利用者自身が到達する導線で文化的信用を再起動。
・文脈配置:音楽ロケーションでの掲出やツール化(ビアマット等)により、“その場で検索→発見”が起こる確率を高めた。

余波(カルチャー反応)
・キャンペーンの話題化を受け、スウェーデンのビールNorrlands GuldがBudのタグワードで検索連動広告を購入して“便乗”する事象も発生。競合すら巻き込む検索面での攻防を生んだ。

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