概要
バンコクの過密地区・クローントゥーイの“使われていない変形スペース”を、世界初の“非長方形”サッカーコートに転用。都市のデッドスペースを遊び場へという発想を、実際の施工とデザインで実現したプロジェクト。2017年カンヌでDesign Lions グランプリを獲得し、タイにとって初のカンヌGPとなった。背景/課題
・クローントゥーイは遊び場が不足する高密度市街地。AP Thailand(不動産デベロッパー)は、「Space can change one’s life(空間は人生を変えられる)」という自社の空間デザイン思想を、地域への社会還元として具現化。不規則な空き地をサッカー面に最適化することで、コミュニティの交流や子どもの運動機会を増やすことを狙った。アイデア/実装
・非長方形コートの設計:L字やジグザグなど敷地形状そのままを活かしつつ、ライン設計で“フェアプレーが成立”する対称性を担保。ピッチはレンガ色(赤)×グレーのラインで可視性を確保した。
・場所と数:バンコク・クローントゥーイの複数区画で展開(初期に2面、報道では4面まで確認)。“変形地でもサッカーはできる”という前例を示し、他コミュニティへの波及を狙った。
・施工・可視化:ビフォー/アフターを上空写真・映像で発信し、“空間の再定義”を直感的に伝達。ケースは各メディアで拡散した。成果・評価
・Cannes Lions 2017 – Design Grand Prix(その年の唯一のデザインGP)。タイ史上初のカンヌGPとして国内外で大きく報じられた。
・他受賞/評価:D&AD(Brand Experience & Environments)でYellow Pencil、TIMEの“Best Inventions 2016”に選出。何が新しかったか(評価ポイント)
・“形を変える”ではなく“使い方を変える”デザイン:規格外の敷地を、ラインと対称性の再設計だけで公平なプレー空間に転換。都市の余白=メディアという示唆が強い。
・不動産のコア能力を社会課題に直結:デベロッパーの空間最適化ノウハウを、そのまま地域の公共価値に還元。広告表現に留まらず実装=資産を残した。
・スケール可能性:“変形地”は世界中にある。前例(プロトタイプ)をつくったことで、他自治体・民間でも応用可能なテンプレートを提示。



