Coop『The Organic Effect』| 2015

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概要
スウェーデンのスーパーマーケットCoopが、一般家庭(Palmberg一家・5人)に3週間の食生活実験を依頼。最初の1週間は通常の食事、続く2週間は100%オーガニックに切り替え、毎日採尿して体内の農薬代謝物を測定した。分析は第三者機関IVL(Swedish Environmental Research Institute)が実施。結果、オーガニック期間に複数の農薬由来物質が短期間で大きく低下したことを、ドキュメント映像「The Organic Effect」で可視化した。制作はForsman & Bodenfors、映像制作はAcne Film。

狙い
「環境に良い」より一歩踏み込み、“自分の体”で起きる変化を見せることで、オーガニック購入を後押ししつつCoopのブランド妥当性を強化する。科学機関による検査を組み込んだ“見せるPR”で議論を喚起した。

実施の要点(体験設計)
・プロトコル:3週間/食事日誌/毎日尿検査。初週(通常食)→2週(オーガニック食)。12種候補のうち8種の農薬が初週に検出、切替後数日でほぼ消失。子どもで低下幅が大きいと報告。※いずれもIVLのプレス文面に明記。
・公開導線:2015年5月にオンライン動画として発表し、“家庭内の検査×エモーショナルな物語”で拡散。

成果・受賞
Cannes Lions 2016 PR部門 グランプリ(Coop/Forsman & Bodenfors)。

議論・批判点(バランス)
・実験はサンプルが一家のみのパイロットであり、健康影響の断定には至らないとIVL自身も注意喚起。検出値は実験前でも安全基準(ADI)を下回るとも明記。
・拡散後、「科学的妥当性が不十分」との指摘が国際的に起こり、PRWeekは“bad science”批判への弁護を報道。のちにスウェーデンでは広告表現の一部が誤解を招くとして差し止め判断が出た事例も。

なぜ効いたか(クリエイティブの肝)
・“遠い環境問題”→“自分の身体”に視点を反転。行動(購買)につながる直感価値を設計。
・第三者機関(IVL)×物語映像の組合せで、エビデンスとエモーションを同時提示。
・ブランド課題×社会課題の重ね合わせが、PR文脈での評価軸(Earned拡散、態度変容)に刺さった。

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