Decathlon『The Breakaway: The First eCycling Team For Prisoners』| 2022

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概要
スポーツ小売のDecathlonが、ベルギー・オーデナールデの厳重警備刑務所で受刑者だけのeサイクリング・チームを結成。Zwift上で“外の世界”の何千人とも一緒に走れる環境を整え、受刑者を匿名の“アスリート”として社会と再接続したプロジェクト。2022年のカンヌでPRCreative Strategyのダブル・グランプリを受賞。

背景(課題
・再犯や社会復帰を難しくする要因に、ラベリング(烙印)と孤立がある。Decathlonは「スポーツを誰にでも開く」というパーパスから、“囚人”ではなく“アスリート”として他者と交わる体験をデザインし、メンタルや社会性の回復に寄与することを狙った。

施策の中身(体験×仕組み)
・バーチャルで“同じ土俵”へ:刑務所内にスマートトレーナーと画面を設置。受刑者6名は縞模様ジャージの匿名アバターで参加し、トレーニングやレースに外部の何千人と同条件で出場した。
・パートナー連携:De Rode Antraciet(刑務所内スポーツNPO)、Cellmade、ベルギー司法当局と協働。Decathlonが機材・ウェアを提供した。
・メディア化された社会実装:公式サイトとスケジュール公開、ポッドキャストでの継続記録、さらに法曹・看守・司法相と受刑者が戦うライブレースをFacebook配信して話題化。

なぜ効いたか(PR+戦略の視点)
・“ラベル外し”の発明:匿名アバターで烙印を外し、対等な関係をつくる——戦略のコアがそのまま体験のコアになっている。
・実装と物語の同時進行:サイト/ポッドキャスト/ライブレースで“継続する進捗”を可視化し、話題が施策の次の一手(政策拡張)を後押しした。
・“目的×利益×遊び”の統合:パーパス実現(更生支援)とブランド価値(“スポーツを開く”体現)を、ゲーム性の高いeスポーツで一体化。Creative Strategyの評価軸に合致した。

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