ITC Savlon『Healthy Hands Chalk Sticks』| 2016

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施策の概要
Healthy Hands Chalk Sticksは、インドの衛生ブランドITC SavlonとOgilvy Mumbaiによる“石けん入りチョーク”。黒板に書く普通のチョークと同じように使えるが、指先に付いた粉が水に触れるとそのまま泡立つため、子どもが手洗い=石けん習慣を自然と身につける。2016年に学校現場で導入され、Cannes Lions 2018ではCreative Effectiveness Grand Prixを受賞した(前年にOutdoorでGold受賞)。

狙い(なぜやったか)
・農村部の初等教育では今もスレート+チョークが一般的で、食事前の“石けん手洗い”が浸透していないことが感染症や欠席の一因になっていた。既存行動(授業でチョークを使う)に石けん機能を埋め込むことで、追加の努力やコストなく習慣を変える、という“行動設計”の解だった。

実装(どう機能したか)
・プロダクト:チョーク粉とソープ粒子を混ぜた配合。授業で手に付いた粉が、水で瞬時に泡へ変わる。安全性試験を経て学校へ提供。
・配布とスケール:ローンチ初期から多くの学校・NGOが関心を示し、“数千箱”規模で流通。のちのケースでは初期100校で試行→15万人の児童に無償提供と報告されている。
・現場導入:Savlonの学校啓発プログラム(Swasth India Mission)の一環として授業と一体運用し、手洗い前の“泡体験”を日課化。

成果・評価
・効果性の証明:“行動が変わったこと”を示す事例として、Creative Effectiveness Grand Prixを受賞。審査評・業界紙は“低コストで広がる仕組み”を高く評価した。
・波及:学校・NGO経由の導入が続き、ブランドの社会的評価と事業の信頼性を同時に強化。WARCや各種ランキングでも高いエフェクティブネスとして言及された。

なぜ評価されたか(クリエイティブの要点)
・“メディアではなく行動”をデザイン:広告露出に頼らず、チョーク=メディア化して接触のたびに手洗いを起こす仕組みを実装。
・既存インフラの再発明:学校教材×衛生の交差で追加コスト/努力ゼロの行動変容を設計(ナッジ+プロダクト)。
・スケールと持続性:箱単位で配れるシンプルなハード解で、各地の学校・NGOにより自律的に広がる構造を作った。

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