MailChimp『Did You Mean MailChimp?』| 2017

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概要
“名前の言い間違い”を逆手に取り、ブランド名に似た“偽の固有名詞”を9つ量産。映画・音楽・食品・ビューティ・ガジェットなどバラバラのミニ企画を文化側にばら撒き、検索で「Did you mean MailChimp?」に回収する設計で、自然発生的な好奇心をブランド想起に変換した統合キャンペーン。2017年カンヌCyber部門のグランプリ。

背景/課題
・2014年、Podcast「Serial」の提供読みで“MailKimp”と誤読された件が話題に。MailChimpとDroga5は、この“覚えにくい/言い間違える”特性を弱点ではなく創造資源として活用する方向に舵を切った。

アイデア
・ブランド名に音が似ている9つの別物を本気で世に出し、各ミクロ接点から検索→集約ページ→本体(Mailchimp.com/Did-You-Mean)へと導く“検索逆流”デザイン。広告然とした説明を避け、文化に擬態してから検索で正体を明かす。

施策の中身(代表例)
・ショートフィルム3本:「MailShrimp / KaleLimp / JailBlimp」を劇場・オンラインで公開(制作:Riff Raff Films、監督:The Sacred Egg)。
・音楽企画:「VeilHymn」=Dev Hynes(Blood Orange)×Bryndon Cookの新ユニットとして楽曲「Hymn」を発表(後にMailChimp企画の一環と判明)。インタラクティブMVはResn制作。
・プロダクト&Web企画:FailChips(砕けたポテチを“正規品”として販売)、NailChamp(ネイル投票サイト)、WhaleSynth(“クジラ音”シンセ)、MaleCrimp(メンズのヘア“波打ち”トレンド)、SnailPrimp(スキンケア)。どれも専用サイト/SNS/OOHで展開し、検索すると「Did you mean MailChimp?」が現れる。

成果・評価
Cannes Lions 2017 – Cyber Grand Prix(同年の3つのCyber GPの一つ)。

何が新しかったか(審査員が見たポイント)
・“検索”を中核メディア化:露出→説明ではなく、謎→検索→自発的学習という順序で能動的関与を設計。
・弱点の転化:言い間違い=ブランドリスクを好奇心トリガーに変換。Serialの“MailKimp”文脈を戦略資産化。
・カルチャー擬態の本気度:映画/音楽/食品まで実体を伴う偽ブランドとして成立させ、広告臭を徹底的に剥がした。

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