概要
「ADLaM: An Alphabet to Preserve a Culture」は、マイクロソフトと McCann New York が、西アフリカのフラニ(Fulani)文化と言語(プラール/フルフルデ)のために作られた文字体系 ADLaM を現代のデジタル環境に最適化し、実装・普及させた取り組みです。書体 「ADLaM Display」 を設計し、Microsoft 365 等で使えるフォント/入力環境として提供。教育教材の整備や政府承認の後押しまで含め、言語保存を“プロダクトとエコシステムの変革”で実現しました。2023年のカンヌライオンズでは Design と Creative Business Transformation の 2部門でグランプリを受賞しています。
背景・課題
・フラニの言語には口承中心の歴史があり、文化と言語の継承がデジタル時代に脆弱だった。ADLaM 文字はバリー兄弟が考案したが、OS/アプリ/SNSで一貫して表示・入力できる環境が不足していた。
取り組み
・書体開発と配布: 伝統文様(カサの幾何学柄等)から造形言語を抽出し、可読性と表示互換を高めた「ADLaM Display」を公開。Microsoft 365 などで利用可能にし、誰でもダウンロードして使える状態に。
・プロダクト実装: マイクロソフトのプラットフォーム群にフォントを統合。グローバルで表示・入力の体験を標準化し、SNSや日常のデジタルコミュニケーションで使えるようにした。
・オープンアクセス拡張: 書体をGoogle Fontsにも提供し、マイクロソフト外の環境でも使えるようにして普及を加速。
・教育支援: 学習教材や書籍を制作・配布し、学校現場での読み書き習得を推進。マリ政府がADLaMを公式の文字として認定する流れも後押しされた。



