施策の概要
My Line(powered by Google)は、コロンビア政府(MinTIC; Ministry of Communications & Technology と報道)とMullenLowe SSP3 Bogotáが開発した“インターネットなしでグーグルに質問できる”電話サービス。フィーチャーフォン/固定電話から現地番号に発信→音声で質問→Google Assistantの回答が音声で返るという仕組みで、2018年に公開。Cannes Lions 2018ではInnovation部門のGrand Prixを受賞しました。審査員長は本作を「brutal simplicity(容赦ないほどの単純さ)」と評しています。背景(課題と狙い)
・当時コロンビアではスマホ普及が約53%にとどまり、ネット接続がない人々はオンライン情報の便益から取り残されていました。“誰もが持つ通話手段=電話回線”を入口に、音声検索の利便を非接続層へ開く——それがMY LINEの狙いです。仕組み(体験設計とテクノロジー)
・使い方:6000913(ローカル番号)に電話→ガイダンスに続いて口頭で質問→数秒で回答音声が返る/連続質問も可能。β公開の初月で3万5千件の通話が発生したと報じられています。
・技術構成:Google Assistant SDKと、通話音声を処理してアシスタントに橋渡しするミドルウェア、およびTwilioの通話/音声処理を組み合わせて実装。フィーチャーフォン/固定電話でも動作します。
・提供形態:政府主導の公共サービスとして設計。ケース資料では「どの電話からでも発信できる」「通話後すぐに音声回答」という利用体験を強調しています。実装・拡張の兆し
・MY LINEはMullenLowe SSP3のアイデアを起点に、Cainkade(会話AIの実装パートナー)と連携して立ち上げ。のちにベネズエラ難民の支援用途や他国展開の検討にも言及があり、社会的インクルージョンの観点で評価が広がりました。成果・評価
・受賞:Cannes Lions 2018 Innovation Grand Prix。
・社会的インパクト(主催者発表):「国内99.3%の人々が電話経由でGoogleの情報にアクセス可能に」という到達可能性の主張がケースに記載されています(技術的主張のため、出典どおりの引用)。
・審査講評:「誰もが思いつきそうで誰もやっていなかったこと」を公共目的にスケーラブルに具現化した点が高い評価を受けました。なぜ評価されたか(要点)
・既存インフラのリデザイン:最新ガジェットではなく“電話回線”を再定義し、行動(電話する)=情報アクセスに直結させた。
・包摂性と即効性:非接続層に今日から使える検索体験を提供(公共政策としての価値)。
・シンプルさ×スケール:ワンアクション(発信)の体験に落とし込む“brutal simplicity”が、低コストで広域に展開可能なモデルを示した。



