- 全体概要
・「CLEVER BUOY」は、オーストラリアで社会問題化していた“サメ被害”に対し、Optusの通信ネットワークを使って「サメを検知→ライフガードへ即時警告」するスマートブイを開発し、ネットワークの価値を“機能するプロダクト”として証明した施策。
・M&C SAATCHI SYDNEYが、GoogleやShark Mitigation Systemsと協業し、広告表現ではなく実装物(プロトタイプ/試験)を中心に据えた点が特徴。
・Cannes Lions 2015ではMobile部門でGoldを獲得し、同年Cyber部門でもGold(+Silver)に入るなど、テクノロジー×ユーティリティの代表例として評価された。
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- 課題・背景:サメ被害と「安全対策」を巡る分断
・ オーストラリアではサメ被害への恐怖が強まる一方、駆除や防護策の是非(人命と生態系・倫理の衝突)が“分断を生む論点”になっていた。
・Optusとしては、通信品質を「速い・広い」と語るだけでは差別化しづらく、ネットワークが“生活を良くする”実感を生む象徴的な用途が必要だった。
・そこで「人もサメも守る、効率的で“非侵襲/人道的”な代替策」という立て付けで、技術開発そのものをブランド体験に変える方針が採られた。
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- 施策/アイデアの仕組み:ソナー×行動パターン解析の“スマートブイ”
・ブイに搭載したソナーで海中の“サメサイズの対象”を捉え、従来難しかった識別を「ソナー検知×ソナー・マッピング技術の組み合わせ」で突破する設計。
・検知ロジックは、サイズだけでなく“サメ特有の泳ぎ方(動きのパターン)”に合わせてキャリブレーションし、似たサイズの別物体と区別することを狙った。
・検知時にはOptus Networkを通じてライフガード側へリアルタイムに通知し、「警告が“現場で機能する”こと」自体をネットワークのデモにした。
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- 実装と活用:プロトタイプ運用と“広告の再定義”
・施策は「キャンペーンを作る」より先に「本当に役立つ装置を作る」発想で進行し、プロトタイプ段階から商用トライアルへ進める構想が語られている。
・Googleの“Re:Brief Project”にも選定され、創造性とテクノロジーの交差点で「広告の役割を拡張する」プロジェクトとして位置づけられた。
・コミュニケーション面では、検知時にライフガードタワーへ即時メッセージを送る/ソーシャルへ出すといった導線が示され、現場運用と拡散を同時に成立させた。
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- 効果・社会的インパクト:ネットワークを“文化的に関係ある存在”へ
・施策はソーシャルで1,900万人超にリーチし、Optusへのポジティブ・センチメント84%・世界でのニュース露出475本超という成果が報じられている。
・WARC Prizes for Innovation 2014ではGrand Prixを獲得し、「役に立つイノベーション(utility)」が広告賞の評価軸になっていることも象徴した。
・クリエイティブ的示唆としては、「ネットワークの価値」をコピーで説明せず、社会課題に刺さる“実装物”で可視化することで、ブランドを“文化的に意味のある存在”へ押し上げられる点が大きい。
・さらにCannes Lions 2015ではMobileでGold、CyberでもGold(+Silver)に入り、プロダクト化とコミュニケーションが統合された事例として評価された。



