SC Johnson / KIWI『First Steps』| 2018

Rate!

施策の概要
“First Steps”は、SC Johnsonの靴磨きブランドKIWIとOgilvy Chicagoによる、コピー中心のプリント/OOHキャンペーン。ムハンマド・アリ、アメリア・イアハート、アーネスト・ヘミングウェイ、エイブラハム・リンカーン、ヴィンス・ロンバルディ、フローレンス・ナイチンゲールといった歴史的アイコンの“実物の靴”を探し出して撮影し、その靴が踏み出した「最初の一歩(First Steps)」の物語を長文コピーで語った。2018年Cannes LionsではIndustry Craft部門のグランプリを受賞(同部門の初代GP)。

狙い・戦略
・“偉人伝の列挙”ではなく、「彼らの実際の靴に宿る物語」へフォーカスすることで、KIWI=靴と歩みの守り手というブランドの本質に回帰。広告は「あの人たちの本物の靴は今どこに?」という問いを立て、靴そのものを一次資料として提示しながら、コピーで最初の一歩が世界を変えた瞬間を描く構造にした。

実装(クリエイティブの肝)
・実物リサーチ&撮影:クリエイティブチームが6人のアイコンの靴を追跡し撮影。例えばアリのボクシングシューズ、イアハートのドレスシューズ、ヘミングウェイのローファーなどを高精細に記録。
・長文コピーの工芸(クラフト):それぞれの靴が踏み出した“最初の一歩”に紐づくエッセイ調の長文コピーで、アイコンの人生の転機を丁寧に紡いだ。Industry Craft=文芸的コピーの完成度が高く評価された。
・ビジュアルと言葉の統合:シンプルな版面に実物の靴のポートレート+長文を置き、“読む広告”として成立させた。主要フォトグラファーはSandro Miller/Roberto D’Este。

成果・評価
・受賞:Cannes Lions 2018/Industry Craft Grand Prix。Clio AwardsでもPrint Gold(キャンペーン)。
・業界反響:「VRでもAIでもない、“コピーと写真”の圧倒的クラフト」として各メディアが言及。“実物の靴を一次資料にする編集発想”が話題となった。

なぜ評価されたか(ポイント)
・一次資料×編集:“実物の靴”という物証を軸に物語化——ブランドの機能価値(靴をケアする)を文化的価値(歴史の歩み)へ跳躍させた。
・コピークラフトの復権:長文コピー×静謐な写真というクラシックな表現で、読み手の想像と没入を駆動。Industry Craftの趣旨に合致した。
・アイコニックな題材の再フレーミング:偉業の列挙ではなく“最初の一歩”に凝縮して描くことで、日常の一歩=歴史の起点という普遍の気づきを生んだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です