Suncorp Group『One House To Save Many』| 2022

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概要
豪州の保険会社 Suncorp が、サイクロン・洪水・山火事に“1軒で”耐える家を科学的に設計・試験・建設し、設計指針を一般公開した社会実装プロジェクト。クリエイティブは Leo Burnett Sydney。研究機関 CSIRO、James Cook University(Cyclone Testing Station/災害研究センター)、設計 Room 11 Architects と共同で、実験施設での火災・強風・浸水テストを経てプロトタイプを完成。ドキュメンタリー放送とオンラインハブで全国に展開し、Cannes Lions 2022のInnovation部門グランプリを獲得しました。

背景
・豪州では気候災害により毎年多数の住宅が被害を受け、復旧費に偏った支出が続いてきました。Suncorpは「予防=レジリエンス」へ発想を転換し、“保険の広告”を“壊れにくい住宅そのもの”に置き換えるアプローチを採用しました。

何を作ったか(仕組み)
・マルチハザード耐性住宅:サイクロン、洪水、山火事を想定した構造・素材・ディテールを統合。実験施設で燃焼(バーナーによるフレイムフロント)/強風圧/浸水を再現し、どの部位が壊れ、どう改良すべきかを検証。
・“クイーンズランダー”を再設計:地域で親しまれる高床式の住宅様式をベースに、科学的根拠に基づく設計へアップデート。
・オープンな知識共有:オンラインハブで設計原則・住宅タイプ別の対策をわかりやすく公開(ユーザーのエリアリスクに合わせて学べるUI)。
・マス展開:プライムタイムのTVドキュメンタリー、ケースフィルム、体験型サイトで全国に周知。

なぜ効いたか(クリエイティブ視点)
・コミュニケーションが“解決策”へ昇格:広告ではなく実在の住宅と公開ナレッジで「保険=備え」を可視化。保険の低関与カテゴリを、社会インフラの更新に接続した。
・科学×生活文化の統合:実験データに裏打ちされた設計を、地域の住宅文脈(クイーンズランダー)に翻訳し、“欲しい暮らし”のまま強くする提案に。
・メディア横断の設計:TVドキュメンタリー、ウェブ体験、ケース映像を束ね、学び→実装の導線をつくった点がInnovationの評価軸に合致。

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