何をしたか(概要)
パキスタンで出生登録(Birth Registration)未了の人びとに公式身分(出生届・出生証明)を行き渡らせるため、Telenorが政府・UNICEFと連携し、紙ベースの手続きを“モバイルアプリ+SMS”へ置き換える「Digital Birth Registration(DBR)」を構築。医療従事者や婚姻登録官、地域のコミュニティリーダー、Telenor販売拠点のスタッフなど“その場にいる認証者”がスマホで出生情報を入力→自治体(Union Council)へ即送信→承認SMSで受領という導線を整え、「名前のない子ども」を“可視化”した。
背景・課題
・パキスタンでは数千万人規模が出生未登録とされ、医療・就学・社会保障・年齢証明(児童婚や児童労働からの保護)など基本的権利へのアクセスが阻害されていた。紙の申請/役所への距離/証憑の不足が主因で、特に農村・遊牧・避難民で深刻。Telenorは携帯普及率の高さを梃子に、移動と紙の摩擦を抜く仕組みで包括的なID取得を後押しした。
なぜ効いたか(示唆)
・広告ではなく行政手続きのUXを変えた:現地の認証者とスマホを組み合わせ、役所→現場へ手続きを移設。距離と紙という最大ボトルネックを解消した。
・パートナーシップ設計:政府×UNICEF×通信事業者の補完関係で、権限(承認)×到達(端末と回線)×信頼(公的機関)を揃え、社会実装まで到達。
・“命名=権利付与”の物語化:「見えない人びとに名前を」という明快なフレーミングで、テック実装の意味(教育・保護・医療アクセス)を社会に伝えた。
受賞(Cannes Lions 2020/2021)
・Media Lions:Grand Prix(同年のW受賞の一つ)。
・Mobile Lions:Grand Prix(モバイルを核に“制度の摩擦”を解消した点が評価)。



