TESCO『Tesco’s Food Love Stories』| 2017

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施策の概要
“Food Love Stories, brought to you by Tesco”は、テスコがBBH London(クリエイティブ)とMediaCom London(メディア)と組んで2017年から継続展開しているレシピ物語シリーズ。人々が「大切な人のために作る料理」に実在の名前・関係性・献立を添えて短編フィルムやOOH、店頭レシピカードとして届け、“値ごろ感”一辺倒の訴求から“食の質と愛着”へとブランドの語り口を転換した。2018年Cannes Lions「Media」部門のグランプリを受賞。

背景・狙い
・当時のテスコは「大きすぎて顧客志向を失った(too big to care)」という認知課題を抱えており、“テスコは食の品質に本気で向き合っている”という認識の再構築がミッションだった。そこで、値段や産地だけでなく“誰のためにどんな思いで作るか”にフォーカスするストーリーテリングで、品質評価の引き上げとブランド好意の回復を狙った。

実装(体験設計)
・フォーマット:ネットの短尺レシピ動画文化(例:Tasty)を参照しつつ、感情の物語を加えた多数のエピソードを英国内でロールアウト。データ活用で地域ごとに最適化した。
・メディアミックス:TV/デジタル/OOH/ラジオに加え、店頭(レシピカード・POP)や自社のコンテンツハブまで連携した統合運用。
・店頭接続:フィルムで紹介した具体の食材・作り方を店内のレシピカードで再現可能にし、“見た→作る”の距離を短縮。

成果
・リーチ&売上:UKの99%に到達、8か月で約6.79億ポンドの売上寄与、メディア起点売上+49%(ケースビデオ申告)。品質スコアも有意に改善。
・受賞:Cannes Lions 2018「Media」グランプリ。審査委員長は“価格プロモ偏重から、卓越したメディア設計とトレードクラフトで実利を出した”点を評価。
・事業文脈:展開期間はテスコの7年ぶりの通期成長とも重なり、ブランド再起の象徴と報じられた。

なぜ効いたか(評価ポイント)
・“価格→愛着”のパラダイム転換:「大切な人のための料理」という普遍の動機から品質認識を押し上げ、価格訴求以外の差別化軸を確立。
・トレードクラフトの精度:地域最適化×クロスメディアで全国規模にスケールしながら文脈適合を実現。審査でも“メディア運用の巧みさ”が決め手とされた。
・店頭までの“行動導線”:レシピカードや棚前導線で視聴→購買をつなげ、短期売上と長期資産の両立を示した。

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