概要
バルト海の自然回復を掲げる地方銀行が、決済データから“買い物のCO₂排出量”を見える化する指標(Åland Index)と、環境配慮型の「Baltic Sea Card」をセットで提供。顧客の月次レポートと寄付・行動提案までつなげ、金融を“日常の環境行動インフラ”に変えたフィンテック×サステナビリティ施策。2017年カンヌでCyber部門のGrand Prix。背景/課題
・同銀行は長年の環境助成プログラム「Baltic Sea Project」を運営。海域悪化への危機感を「小さな決済=大きな環境影響の積み重ね」という日常行動の設計に落とし込み、顧客参加型で資金と理解を同時に生む仕組みづくりを狙った。アイデア/実装
・Åland Index(排出量推計):各取引の業種コード(MCC)×企業データ×カーボンプライス等を組み合わせ、取引ごとのCO₂影響を推計。モバイル/オンラインバンクで月次の環境レポートを提示し、オフセットや行動提案まで接続。
・Baltic Sea Card(カード):再生原料ベース/生分解性の素材を採用し、カード利用データをÅland Indexに連携。ユーザーは自分のフットプリントを把握→寄付・生活改善に活かせる。
・”他行にも開放”という構想:ローンチ時から他行参加を呼びかけ、銀行というメディアを横展開しうる設計に。仕組みの要点(ユーザー体験)
・買い物ごとに推計CO₂を蓄積 → 2) 月次で自分の環境負荷を可視化 → 3) 寄付/行動で埋め合わせ(地元の環境活動や国際的クレジット)。※商品レベルの個別判定ではなく“業種平均ベース”で計算(プライバシー配慮/現行データの限界)。成果・受賞
・Cannes Lions 2017 – Cyber Grand Prix。RBK Communicationとともに“テクノロジーがアイデアを前進させた”事例として選出。何が評価されたか(クリエイティブの肝)
・“支払い=環境学習”化:広告を超えて銀行プロダクトのUX自体を再設計し、毎月のレポートとオフセット動線まで一気通貫で組み込んだ点。
・実装の信頼性:データ×価格シグナル(カーボンプライス)で“見える化”の根拠を担保。非プロダクトレベルの推計という透明性も明示。
・素材からの一貫性:生分解性カードという“触れるメディア”の設計でメッセージと実体験の整合をとった。



