The Times『JFK Unsilenced』| 2018

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施策の概要
JFK Unsilencedは、The Times(News UK & Ireland)とRothco(Accenture Interactive, Dublin)が、AIでジョン・F・ケネディの未演説「ダラス・トレードマート演説」を“本人の声”で再構築し、55年後に「初めて届けた」プロジェクト。2018年3月に公開され、聴取用の特設記事・動画とともに発表された。

ねらい
・歴史上の「失われた演説」をデータと機械学習で蘇らせ、報道ブランドの編集力・技術力を証明すると同時に、現代の読者にJFKのメッセージを再接続すること。審査では「データ×物語×テクノロジーで新しい報道の形を示した」と評価された。

実装(どうやって“声”を作ったか)
・素材収集と音声分解:JFKの831本の演説・発話から音声を抽出し、116,777の音声単位(英語の41音素に相当する最小断片)に分割。約8週間で学習・合成し、“JFKらしい抑揚と間”で全文を再構成した。技術パートナーはCereProc。
・プロダクト化:The Timesの記事・動画で完成版スピーチを聴ける体験を提供。プロジェクトの過程や技術的検討もあわせて公開した。

成果・インパクト
・登録獲得:本件によってThe Times/The Sunday Timesへの新規登録4,500件を喚起。結果を重視した審査基準にも合致した。
・業界反響:音声復元のクラフト到達点であると同時に、倫理的な論点(歴史的人物の“合成”は許容か)を提起した点も注目を集めた。

受賞(Cannes Lions 2018)
Creative Data Grand Prix(グランプリ)。Rothco/Accenture Interactiveが同週に複数部門で計7個のLionsを獲得し、Radio & Audio部門でも受賞。

なぜ評価されたか(要点)
1) “記事”を超えた編集発明:データ処理そのものが編集行為になり、報道×AIの新しい形を実装。
2) クラフトの説得力:膨大なアーカイブから音素レベルで再構築し、“本人の声”の質感を再現。
3) ビジネス貢献:有料登録の実数効果が明確で、メディアの収益モデルとも整合した。

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