概要
コロンビア各地に残る公衆電話(約1.3万台)を“貯金端末”に変えることで、銀行口座を持てない人々のマイクロセービングと支払いを実現した金融包摂プロジェクト。Cannes Lions 2017「Product Design」グランプリ。背景/課題
・コロンビアでは約800万人がアンバンクト(日収平均約3.5ドル)で、硬貨中心の収入を安全に貯める手段が乏しかった。都市の至る所にあるTigo-UNEの公衆電話網に着目し、“既存インフラを低コストで金融インフラ化する”発想で企画。仕組み(どう動くか)
・アカウント開設→硬貨で入金:UNE店舗で口座(マイクロ貯蓄口座)を有効化後、公衆電話に硬貨を投入して自分の口座へ入金。音声IVRで操作でき、公共料金の支払い、交通チケット購入、データ/通話のチャージ、さらに家電などのマイクロローンにも接続できる。
・スケールと可用性:全国約13,000台を段階的に対応。ある都市だけでも6,500台以上が24時間利用可とされ、“街角の銀行”として機能する。
・技術面:既存の公衆電話網データ(Asteriskベース)を解析してPayphone Bank OSに反映。IVR経由で各種サービスにアクセスでき、通話以外の用途(電気料金払い/データリチャージ/交通券購入 等)が月6,000回規模で利用されるようになった。成果/評価
・Cannes Lions 2017 – Product Design Grand Prix。“古い公衆電話をデジタル時代の貯金箱に”という設計が、低所得層の金融アクセスを現実に拡張した点が高く評価。なぜ評価されたか(示唆)
・既存インフラのリユース:新しい端末を配るのではなく、街に既にあるものを金融の入り口に変えたスケーラブルな発想。
・現金経済への寄り添い:硬貨→デジタル残高への変換で“少額でも貯まる”を実装し、公共料金や移動など生活必需の決済に直結。
・低ハードルのUX:IVR中心でリテラシー障壁を下げ、24時間×街角という“行きやすさ”で継続利用を促進。



