概要
ロンドンの大英博物館で展示される「返還を求められている10点の文化財」を、InstagramのARフィルター+音声ツアーで“真正の歴史(Unfiltered)”として語り直したゲリラ企画。来館者は対象展示物をスマホでスキャンすると、原産国の研究者や当事者のナレーションとともに、略奪・移送の歴史がARで可視化される。館外の人には特設サイトと全10話のポッドキャストを提供。Cannes Lions 2022でRadio & Audio/Brand Experience & Activation/Social & Influencerの3部門でグランプリ、さらにTitaniumも受賞した。
背景と課題
・大英博物館の所蔵品をめぐる「植民地主義と返還」を巡る議論に対し、ニュースブランドのVICE World Newsは若年層が日常的に触れるプラットフォーム(Instagram)で、既存の“公式解説”を現地の視点で上書きする体験を設計した。企画は博物館の非公認の“ゲリラ・ツアー”として実装された。
なぜ効いたか
1. “公式の場”をハック:館内の実物展示そのものをトリガーに、非公式ツアーでナラティブを上書き。物理空間×デジタルの逆張りでニュース価値を創出。
2. “誰が語るか”の転換:原産国の語り手が一次情報として語ることで、音声の信頼性と没入が高まり、Radio & Audioのグランプリに直結。
3. 技術の“目的適合”:AR認識・LiDAR統合など制約の多い館内環境に耐える作り込みで、単なるデモを超えた実用的体験へ。
4. 多層展開:館内AR→オンライン映像→10話ポッドキャストの階層設計で、来場者/非来場者どちらにも深い参加を用意。



