概要
ALS/MNDで「声を失う」前に、30分で自分の声を“貯金(ボイスバンキング)”できる“世界初の本”を作ったプロジェクト。患者本人が絵本『I Will Always Be Me』を音読すると、文章内に仕込まれた全ての音素を収録でき、本人らしいデジタルボイスが生成される。制作は VMLY&R(NY)。Cannes Lions 2022 のPharma部門グランプリ受賞。
背景(課題)
・MNDは進行とともに発声が困難になる。従来のボイスバンキングは長く退屈な単語リストを読み上げる負担が大きく、英国のMND当事者で実施率は約12%にとどまっていた。そこでDellとIntelは「もっと多くの人に、簡単に自分の声を残してほしい」というブリーフを提示。
なぜ効いたか(クリエイティブ視点)
1. “負担”を“儀式”に反転:無機質な読み上げ作業を、家族に想いを伝える物語の読書体験へ。機能価値と情緒価値を同時に満たした。
2. 設計の厳密さ:テキスト内に全音素を網羅し、約30分で収録完了という実用条件を達成。技術の要求とユーザー体験を両立。
3. 生態系で解決:テック企業×患者団体×音声研究の協業で“使える解”に落とし込み、実装・普及まで踏み切れた。



