概要
「The E.V.A. Initiative(Equal Vehicles for All)」は、VolvoとForsman & Bodenfors Gothenburgによる“クルマの安全を男女すべてに等しく”という宣言型プロジェクト。Volvoが1970年代から蓄積してきた実事故研究(40年以上、実車衝突43,000台・乗員72,000人)を開放し、他社も使えるデータライブラリとして公開したことで、従来“平均的な男性”に偏りがちな車両安全の基準を改めることを狙った。
インサイト/アイデア
・長年、衝突試験ダミーや設計基準が男性体格を前提にしてきた結果、女性は重傷リスクが統計的に高いという現実がある。たとえば米バージニア大学の研究では、同条件の正面衝突で“シートベルトをした女性は男性より重傷になるオッズが73%高い”と報告。そこでVolvoは、性別・体格を横断した実事故データに基づく知見をオープン化し、業界全体の安全基準の是正を促した。
反響・意味
・プロジェクトは「男性標準」バイアスへの社会的議論を喚起し、データは2.5万回以上ダウンロード(F&B公表値)。さらにVolvoは女性の頸部傷害リスクに関わるシート設計を見直し、“男女差のないむち打ちリスク”を実現したと説明している。単なる広告表現を超え、“データの共有”という産業アクションで安全の平等化を推し進めた点が評価された。
受賞(Cannes Lions 2019)
・Creative Strategy Grand Prixを受賞。



