WeCapital『Data tienda』| 2022

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概要
メキシコでは多くの女性が銀行の信用履歴を持たないためローン審査に通らない。WeCapital と DDB Mexico は、地域の雑貨店(tienda)が長年つけてきたツケ帳(“fiado”のノート)という“見えない信用”を収集・整備し、銀行が参照できる正式な信用データとして可視化するプラットフォーム 「Data Tienda(データ・ティエンダ)」 を開発。女性たちが自身の店での支払い実績をもとにマイクロローンにアクセスできるようにした。2022年のカンヌでCreative DataGlass: The Lion for Changeのダブル・グランプリを受賞。

背景(課題)
・公的な統計では、メキシコの女性の約83〜87%が“典型的な信用履歴”を持たないとされ、進学や起業のための融資が拒否される構造があった。一方で彼女たちは日常的に地元店の“ツケ払い”を利用し、返済実績はノートに残っている——この非公式データを公式の与信情報に変換するのが本施策の着眼点。

仕組み(どう動くか)
・本人登録:女性が datatienda.mx に登録し、5〜10軒の店を指定して自分の“ツケ履歴”の照会を許可。
・店主の証明:店主にはオンラインの簡易フォーム(WhatsAppボット配信)が送られ、購入・支払いの実績を数分で入力。偽装防止のため店舗の実在確認も行う。
・データ化→信用履歴に:集まった記録を審査・標準化して銀行が扱える信用データへ変換。他の金融機関でも活用できるよう設計された。

ぜ効いたか(クリエイティブ視点)
・“見えない信用”の制度化:家計の実態データ(店のツケ帳)を金融の言語に翻訳し、ジェンダー起因の与信ギャップに構造的な解を提示。
・テクノロジーの正しい粒度:写真→AI読み取りの発想を捨て、店主入力+法的同意という実装可能なプロセスに最適化した点がスケールを生んだ。
・“目的×実利”の両立:女性の金融包摂(Glassの評価軸)と、データを起点にした新しい顧客基盤(Creative Dataの評価軸)を同時に達成。

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