概要
2016年リオ・パラリンピックのために制作された、障害のあるミュージシャン&アスリート&市井の人々「140名超」が“Yes I Can”にのせて次々と能力を見せる3分の大作トレーラー。2017年カンヌでFilm部門グランプリを受賞し、その年を象徴するフィルムに。背景/狙い
・2012年の「Meet the Superhumans」の続編として、“スーパーヒューマン”の範囲をアスリートから日常の達人へ拡張し、障害者表象のアップデートと大会の視聴意向喚起を狙った。あわせてChannel 4は“Year of Disability”として、障害を扱う優れた広告に100万ポンド分の広告枠を提供する取り組みも並走。アイデア/体験設計
・音楽×連鎖編集:サミー・デイヴィスJr.の「Yes I Can」を、障害のある演奏者だけのビッグバンドで再録。歌い手Tony Deeの歌声に合わせて“できない理由”を打ち消し続ける3分のモンタージュ。
・キャスティング:140名超の出演者(パラ選手、ダンサー、職人、パイロット、ドラマーほか)を実名・実技で起用。競技以外の“生の技”まで広げて「能力」そのものを祝福。
・演出とVFX:監督Dougal Wilson/Blink。MPCが144ショットのVFXを担当し、群衆複製やスタジアムCGでスケール感を増幅。公開と反響
・2016年7月公開。YouTubeほかで拡散し、リオ大会の番宣トレーラーの中心として展開。
・Cannes Lions 2017 – Film Grand Prixを受賞。論点(評価の光と影)
・称賛:多様で肯定的な表象と高密度クラフトが、広告を超えて文化的出来事として機能した点が高く評価。
・批判:「“スーパーヒューマン”という語りが“supercrip(超人障害者)”ステレオタイプを再生産し得る」との指摘(2016年当時のGuardian論説など)。以降、Channel 4は表現の在り方をめぐる議論を受け止め、後年は“Super. Human.”など文脈の再設計へ。何が新しかったか(クリエイティブの肝)
・“広義の能力”の祝祭:競技だけでなく日常の所作や仕事の技まで等価に扱い、能力=文化資本として提示。
・音楽主導の設計:曲を先に決めて構成を組む逆算で、“Yes I Can”の歌詞と映像がシーン跨ぎで韻を踏む編集に。
・インハウス×監督の一体制作:4CreativeとDougal Wilsonが継続文脈(2012→2016)を保持しつつ、規模と包摂性を拡張。



