施策の概要
Aeronaut VRは、Smashing PumpkinsのBilly(William Patrick)Corganの楽曲「Aeronaut」を、VR空間の“ミュージック体験”として再構築したプロジェクト。制作はIsobar New York(共同制作:Viacom NEXT)。ユーザーは3分半ほどのルームスケールVRの中で、コーガン本人の“ホログラム=立体映像”のパフォーマンスと、幻想的に変容する世界を360度で体験する。2018年のCannes Lions「Digital Craft」Grand Prixを受賞した。狙い
・従来の“平面のMV”を越え、音楽×空間×身体性を結びつけて新しい鑑賞フォーマットを示すこと。審査講評は、「テクノロジーが人間性を拡張するとき、デジタルクラフトは最良の形になる」とし、本作が技術と表現を不可視なほど自然に統合し“音楽映像を多次元のアートワークに高めた”点を評価している。実装(どう作られたか)
・ボリュメトリック撮影:コーガンの歌唱をMicrosoft Mixed Reality Capture Studiosでボリュメトリック・ビデオとして収録し、等身大の立体データに。
・VR世界の構築:VRアーティストDanny BittmanがTilt Brush/Blocksで造形した3D世界をUnityで統合。音楽に同期して宇宙的な景観やオブジェクトが遷移する。
・体験フォーマット:3.5分のルームスケール。視聴者は任意の方向を向き、空間内を見回しながらパフォーマンスと環境変化を体験する。
・2D版との連携:公開済みの2D MVは、このVR体験の“プレビュー”として同じ3D資産からUnityでレンダリングされた——というワークフローの革新も特徴。
・公開の場:2018年のSXSWなどで披露され、Oculus向けに展開。成果・受賞
・Cannes Lions 2018 Digital Craft Grand Prix(各業界メディアが“VRミュージック体験の頂点”として報道)。
・Isobarは本作によってデジタルクラフトにおける到達点として広く評価を獲得。なぜ評価されたか(クリエイティブの要点)
・“音楽映像”の再定義:ボリュメトリック×VR空間で、視聴を没入的・能動的な体験に転換。
・見えない高度さ:高度な技術を直感的な鑑賞体験に落とし込み、テクノロジーを感じさせない工芸性を実現。
・制作パイプラインの発明:同一3D資産→VR体験と2D映像を両立する制作で、拡張可能な音楽制作のモデルを示した。



