Wingstop『Thighstop』| 2022

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概要
全米で“手羽(wing)不足”と価格高騰が起きた2021年、ウィング専門のWingstopが、鶏モモ(thigh)に需要をシフトさせる“バーチャル業態”=「Thighstop」を8週間で立ち上げ。デリバリー(DoorDash)と自社ECで販売導線を再設計し、供給の潤沢な部位=モモ肉を“新しい主役”に据えました。2022年のカンヌでCreative Commerce部門グランプリを受賞。

背景(課題)
・パンデミック期の需要偏在とサプライチェーンの乱れで、手羽の卸値が約3倍に跳ね上がる局面に。Wingstopは「供給のある部位に需要を振り向ける」発想で、モモ肉に特化した“デジタル専用サブブランド”を展開しました。注文はThighstop.comかDoorDash経由、調理は既存店舗のキッチンで行うためオペ負担は最小。

アイデア/仕組み
・ブランドの“セルフ・ハック”:Wingstopの世界観・11種フレーバーをそのままモモ肉(骨あり/一口サイズの“Thigh Bites”)に移植。テレビ/SNS/サイトを横断し“Where Flavor Gets Its Thighs”の合言葉で需要を喚起。Rick Ross(同社フランチャイズオーナー)を起用した動画で瞬発的に話題化。
・コマース設計:デリバリー前提のUI、既存1,400店舗の“内なるゴーストキッチン化”で全国同時に供給。在庫が潤沢な部位を売ることで原価プレッシャーを緩和する狙いも。
・ローンチ(2021/6)後、わずか3か月でモモ肉をWingstop本体の常設メニューに格上げ(骨あり/Thigh Bites)。毎週木曜の“Thigh Thursday”など販促も付与し、バーチャル業態→本体メニューへの検証→実装を短期で完了させました。

なぜ効いたか(クリエイティブ視点)
1. “供給×需要”をつなぐコマース発想:不足する手羽→豊富なモモへと消費者の欲求を“味の互換性”で移しかえる——広告ではなく取引の再設計。
2. 実装の速さとスケール:既存店舗を即日“内製ゴースト”化し、8週間で全国展開。“検証→常設化”までの学習ループが秀逸。
3. 文化的増幅:Rick Rossの“We doin’ thighs”でミーム化し、需要シフトを一気に加速。

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